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シャヴァアーサナのような最期を

ヨガクラスの最後に必ずするポーズにシャヴァアーサナがあります。

これは仰向けに寝転がって全身をリラックスさせる休息のポーズです。

 

このシャヴァアーサナの時に、「自分の死んだ時の映像が浮かぶ」とある生徒さんが話されました。

それもそのはず、シャヴァアーサナは屍のポーズという意味です。

この生徒さん、この日本語名をご存知なかったのでびっくりされていました。

 

屍のように全身の力を抜いて横たわるのですが、完全な脱力というのが意外と難しく、実は習得が一番難しいポーズとも言われています。

完全な脱力が出来ているかということよりも、このポーズをとることで死ぬ時のイメージができたらそれは素晴らしいのではないかと思いました。

 

この生徒さんに浮かぶ映像は、悲しむ家族に囲まれて穏やかに静かに眠っている自分自身だそうです。この最期は理想的です。理想の最期がイメージできたら、それまでの生き方は決まってくると思うのです。

 家族に惜しまれ穏やかに眠るように最期を迎えるには、いかに生きていくのか、日々の行いや思考が自然とその方向に導かれていくのではないかと思います。

 

とにかく死ぬ前に苦しみたくないよね、という話をしていました。そのためには最後までプラーナを巡らせて健康的でいること、そして自我を捨てていくことなのかなあと話しました。

 

ヨガのクラスではアーサナ(ポーズ)やプラーナヤーマ(呼吸法)でプラーナを巡らせていきます。そして最後のシャヴァアーサナでは、全身からプラーナ(気)が抜けていくかのように脱力していきます。人生に似ています。

 

毎回ヨガクラスでは、人生の練習をしているのかもしれません。

シャヴァアーサナは最期の時の練習とも言えます。快適なシャヴァアーサナを迎えるためには体を動かし呼吸を調え、全身にプラーナを巡らせていることです。そして雑念を消すこと。

 

シャヴァアーサナで完全にリラックスしたときに訪れる至福感。

その至福を感じながら最期の時を迎えられたら最高です。

全身からプラーナが抜け、至福に満ちた魂が肉体を離れていく、魂の新たな旅立ちの時でもあります。

より磨かれた魂の旅立ちとなるように今を生きましょう。